お母様が若い頃から大事にしていらっしゃったという、
ペアの染付湯呑み片方割れてしまったとのこと。
割れてしまった箇所から薄く延びるにゅうが入っていたものの、
細かな欠けなどもなく、きれいな断面でした。
ただ、このように硬くて薄い磁気で、注意しないといけないのは、
接着剤がわりの麦漆の厚みでずれてしまうことがあるということ。
段差やズレが生じないように、
2時間おきの調整を繰り返しています。
仕上げは薄くて繊細な焼き物に違和感のないように、
線の細さにも拘りました。
筆使いのポイントは、
筆先1〜2ミリの部分を使うことをイメージして、
奥から手前にかけて筆を動かすということ。
手の動きは一定に、器の角度や向きを変えてください。
うるしの塗り厚、線の細さ、
金を蒔くタイミング。
どれも大切な要素です。